めまい、ふらつきとは言っても、ぐるぐると回るめまい、ふわふわとするめまい、頭を動かすと一瞬ふわっとするめまい、立ち上がるとスーッと気が遠のく、歩くとふらっとするなどさまざまな症状があります。めまい、ふらつきは脳の病気(中枢性めまい)、耳の病気(内耳性めまい)や他のさまざまな病気が原因となります。

中枢性めまいの場合は生命に関わりうる可能性がありますが、めまいのみの場合は中枢性めまいである確率は1.7%から3%程度と言われており、それほど確率は高くありません。しかし、中枢性めまいの場合は危険な状態であることが多く、中には早期に治療が必要な場合もあります。

想定される病気や緊急性の高い病気を念頭に検査を進め、めまいの原因を確かめる必要があります。めまいが起きた場合は早めに医療機関を受診しましょう。

当院での取り組み

当院ではめまいに対して積極的に脳の画像検査を行っています。CT、MRIを完備しており基本的に即日検査、即日説明をしています(受診された時間やその日の混み具合によっては、翌日以降に検査を予定することもあります)。

めまいの原因となる脳の病気が認められた場合は原因疾患により、必要であれば集学的な治療が可能な病院へ紹介します。脳の病気が認められなかった場合はめまい止めのお薬を処方します。

めまい 目次

中枢性めまい
・内耳性めまい
・その他のめまい

中枢性めまい(脳の病気からくるめまい)

脳梗塞脳出血脳腫瘍などにより平衡感覚をつかさどる脳の部分が障害されるとめまいふらつきが出現します。中枢性めまいの場合は、めまいの他にもバランスが取れない、ろれつが回らない、顔が半分動かない、物が二重に見える、耳が聞こえない、手足が動かない、手足の運動が粗雑になる、意識が悪い等、他の症状も同時に出現することが多く、こういった症状とともにめまいが出現した場合は早急に脳の検査を行い、脳の病気が無いかどうかを調べる必要があります。

めまいを引き起こす脳の病気は、主に小脳、脳幹に出現することが多く、この部分の検査はCTでは詳細に描出することが難しいため、可能な限りMRIでの評価が望ましいです。場合によっては危険な状態である可能性があるのでなるべく早めに医療機関を受診し、脳の検査を行いましょう。

症状がめまいのみの場合でも、必ずしも脳の病気が無いとは言い切れません。なかなかめまいが治らない場合は脳の検査で確認しておいた方が良いでしょう。

内耳性めまい(耳の病気からくるめまい)

めまいを起こすと脳の病気かもしれないと思うことが多いですが、実は耳の病気であることが多いです。めまいを起こす耳の病気としては、良性発作性頭位めまい症や前庭神経炎、メニエール病などがよくあり、めまいで当院を受診された方の多くが良性発作性頭位めまい症です。

病気によって、強いめまいは数分間程度で治る場合や、何日も強いめまいがおさまらない場合、難聴や耳鳴りが同時に起きる場合、難聴がどんどん悪化する場合など出現する症状に特徴があります。とくに突発性難聴の場合は発症早期に治療することで回復する可能性が上がりますので、難聴や耳鳴りがある場合は早急に耳鼻咽喉科での診察が必要です。

また、めまいのみだとしても中枢性めまい(脳の異常からくるめまい)でないとは断言できません。新しくめまいが出現した場合は脳の検査で中枢性めまいではないことを確認することも非常に重要です。

その他のめまい、ふらつき

上記の中枢性めまい、内耳性めまいの他に、起立性低血圧(立ちくらみ)、貧血、不整脈、心不全、肝機能障害、腎機能障害、体調不良、寝不足、感冒(風邪)、心因性(精神的なもの)などさまざまな原因でめまいやふらつきが生じます。なかには重大な病気が隠れている可能性がありますので、いつもと違うめまいが出現した場合は医療機関を受診しましょう。