神経血管圧迫症候群

顔が痙攣する ー 片側顔面痙攣

片側顔面痙攣になると、目の周りの筋肉(眼輪筋といいます)や口の周りの筋肉(口輪筋といいます)がぴくぴくと勝手に動いてしまいます。疲れた時や寝不足の時に目の下が少しぴくっとすることがありますが、これは典型的な片側顔面痙攣ではありません。

片側顔面痙攣は比較的長い時間、リズミカルにぴくぴくと痙攣します。多くの場合、正常の脳の血管が、顔面を動かす神経(顔面神経)を圧迫することでこのような症状が出現します(神経血管圧迫症候群といいます)が、まれに脳腫瘍などほかの病気で症状が出ることがありますので脳の検査が必要になります。

神経血管圧迫症候群であれば、顔面の痙攣が気にならないようであれば命に関わるものではありませんので放っておいても構いません。しかし症状が強く生活や仕事に支障がある場合は、注射で顔の筋肉を麻痺させたり(ボトックス注射)、手術で血管を神経から離したりします。まずは体に負担の少ない治療から始めますが、治療効果が乏しい場合は手術を検討します。

顔に電気が走るように痛い ー 三叉神経痛

顔に電気が走るように痛いことがある場合、三叉神経痛かもしれません。三叉神経痛は片側の顔面にビリッと電気が一瞬走るような痛みを感じます(電撃痛といいます)。目の下あたりから耳の方に向かって、あるいは下の顎から耳の方に向かっておきることが多いですが、まれに額におきることもあります。痛み自体は一瞬で生じて一瞬で無くなります。安静にしていれば痛むことはなく、会話、歯磨き、洗顔、ものを食べる、といったことが誘因となり痛みます。顔面の感覚をつかさどる三叉神経に血管が接触することで症状が出現します。まれに脳腫瘍などほかの病気で症状がでることがありますので脳の検査が必要になります。テグレトール(てんかんの薬)がよく効きますのでまずは内服で様子を見ますが、効果が乏しい場合や薬の副作用などで内服できない場合には放射線治療(ガンマナイフ)や手術を検討します。